最判には敬意を払って
「最判はリスペクトせにゃあかん」E先生の口癖です。
初めて判例を読んだ時、その昔、初めて古文を読んだ時の感覚に似たものが。枕草子や徒然草が頭に浮かびました。う~ん、読むことすらおぼつかないこの難解な文章を、覚えて書く!本当に?しかも幾つも。出来る気がしないからやる気がしない。
♯ やっと何とか法文集が「どの頁を開いても、同じことが書いてあるように見える」から抜け出せたばかりなのにぃ~
何とか結論だけ覚えて、判例と結論が合っていれば、それでいいんじゃないか? 一年目はそう思っていました。
しかし、それではよろしくないようです。
判決文は、裁判官が熟考し慎重に書いているものなので、その一つ一つの「言葉」は、その言葉を選んだ事に「意味」がある。
それを「同じこと言ってるんだからいいんじゃないか」と、勝手に自分の言葉に置き換えて書くのはよろしくない。
さらには、正しく理解できないまま、違う内容に書き換えてしまう恐れが多いに有り。
♯初心者には、「違ってる」ことすらわからない。
判例は覚えるのが難儀なものではありますが、いったん覚えておけば、試験ではそのまま書ける事例が出される。拒絶理由や措置を挙げるのとは異なり、「間違える」可能性が低い。確実な得点源。
♯少なくともこれまでの論文試験は、ひねったものは出ていない(と思います)。司法試験の問題はそうはいかないようです。
ひつこく読んだり書いたりすれば何とかなるもので、一年目は一つも書けなかった判例も、二年目には「試験に出そうなもの」は、八割位書けるようになりました。
♯ゼミの答練で、自分は全く書けないのに、多くの人が書けているのを見て、びっくり! 真面目に取り組みました。
弁理士になろうとしているのに、最高裁の判例を「はしょって、ねじ曲げて」書いていたら、読む側(採点者)から見ても印象よくない。考えてみれば当然。
試験で出るからという理由だけで、無機質に嫌々覚えるのでなく、敬意を払って覚える方が気持ちもいい。
書ける判例が増えるにつれ、E先生がおっしゃてることも何となくわかる気が。。。してきました。
♯ それでもやはり「思うに、」は、何だか恐れ多いというか、抵抗があって書けません;;
特許法では、一昨年は「ウォーキングビーム事件」先使用権と「インクタンク事件」再生産、昨年は「BBS事件」並行輸入 ←定番中の定番。
昨年、幾つかある「延長登録+薬剤」のややこしい最判を頑張って覚えていた私は、正直ちょっと肩透かしでした。
忘れてはいけないのは、論文は相対評価だという事。予備校などで「出ますよ!」と言われているものは、もしも出たら正しく書ける人が多い⇒自分だけ書けないとかなり痛い。
参加してます♪